2017年3月16日

2016年度の最終課題「静物着彩」(1/2)


2016年度の最終課題「静物着彩」(1/2)



こんにちは!講師の依田です。
あっという間に3月です。まだ寒い日が続きますが、少しずつ春の気配も感じられますね!


さて、美術クラブでは2月から3月にかけて、静物着彩の課題に入っています。


静物着彩といえば、白い紙に静物をデッサンし、そこに絵の具を乗せていくイメージが強いかと思いますが、今回はたっぷり時間をかけて下地作りをしてもらいました◎
どちらかというと、油彩のプロセスに近いものがあります。


画面も木炭紙大です。水張りも一苦労でしたね。



画用紙に刷毛で水を塗って、水張りをしていきます。

水張りが初めての人にはレクチャーを交えながら。

作品のイメージに合う色の絵の具を、下地としておく。

滲ませたり、色を重ねたり。この作業がとにかく楽しい。

友達の画面を見て刺激を受けながら、自由に作っていく。


絵の具の流動性や、それによってもたらされる偶然性は、なかなか意図して作れるものではありません。
その美しさを活かしたり、逆に潰して壊したり、
意識と無意識の狭間のようなこの作業に、皆さん没頭してくれました!


1日目終了時には、下地にしておくにはもったいない、美しい画面が並びました。
抽象絵画のようですね。
同じような作業の中にもそれぞれの個性が出ていて面白いです。


もったいない気もしますが、この上から静物を描いていきます。



下地が乾いたら、鉛筆で少しだけ形を当たっていく。


このような下地作りには、画面の統一感を出す効果があります。


白い画面にただ塗り絵のようにそれぞれのモチーフを塗り分けてしまうと、画面の中でバラバラに存在して、空間を出すのが難しかったり・・・


下地があるだけで、画面全体でのモチーフの位置関係や色の響き合いも意識するようになってきます。


有色紙のデッサンの時と考え方は似ていますね◎




下地の色をどう活かしていくか、考えながら描いていく。

モチーフをよく観察して、リアルに描写することも忘れずに。

薄く溶いた絵の具をちょっとずつ重ねて、下地を透けさせる。

面相筆という細い筆を使って、細部も描写していく。

講師によるデモンストレーション。絵の具の使い方などがとても参考になる。



私(依田)も作品制作でこのようなプロセスを踏みますが、下地づくりが一番楽しく、好きな段階です(笑)


プロの作家さんでもこのようなプロセスを踏んで作品を作っている方は多いですよ。
美術館などに足を運んだ際は、この絵の下にはどんな下地があったのだろう?どんなプロセスを踏んでるかな?と想像を巡らせてみるのも面白いかもしれません!





2017年2月13日

パステル・コンテで有色紙に描く「自画像デッサン」



こんにちは!講師の吉川です。
2月も半ばを過ぎると、そろそろ春が待ち遠しくなってきますね。


今回は1月の美術クラブ「有色紙デッサンの自画像」の様子をご紹介します!


自画像と言われて、シブい顔をした子もいましたが(笑)、
自分の顔はもっとも見慣れているものの一つです。
その分知っていることも多く、とっかかりを掴みやすいテーマではないかと思います。




しかし、人間というモチーフは、デフォルメ化されたもの(漫画やイラストなど)を目にする機会も多いことから、「目」「鼻」「口」「髪」など、記号として見てしまいがちです。


それらのパーツの裏には、骨があり、筋肉があり、脂肪があります。皮膚が覆い、やっとそれぞれのパーツが見えてきます。普段意識することのない構造を理解してすすめることは、より絵にリアリティを与えます。


肌は結構、複雑な形をしています。触りまくってみるのもいい勉強になりますよ!自分の顔は触り放題です。(笑)



自分の顔をよく観察しながら描いていきます

まだ描き始めだけど、自然な人物の印象をよく捉えていますね


そして今回は同時に、有色紙デッサンにも挑戦しました。
有色紙デッサンとは、その名のままですが、色のある紙にデッサンをすることです。


白い紙に描いていくデッサンと基本は変わりませんが、大きく異なる点は「明るさの作り方」です。


白い紙の場合は、紙の色を残しておいたり、一度のせた鉛筆や木炭をねりけしや消しゴムを使って「とる」ことで明るさを表現しますが、有色紙はベースが中間色なので、コンテやパステルの白を「のせる」ことで明るさを描いていきます。


前回の木炭に引き続き、新素材への挑戦でしたが、積極的に利用してくれていました。



新しい画材に挑戦してみましょう

パステルを使うと、鉛筆とは違う色や質感があって面白い

パステルやチョークなら練りゴムでも消せます

白いパステルを積極的に使って、明るい部分を描きます



3回の授業時間を使っての制作でしたが、今回もっとも印象的だったのは、
最終日、全員が絵の中の自分と同じ服を着てきていたことです。
絵のためのそのちょっとした行動が、実はものすごく大きな一歩です。



絵の中の自分と同じ服を忘れず着てきてくれました

土曜日クラスの作品講評会の様子

先生たちのコメントにも熱が入ります

中学1年生の作品

中学1年生の作品

中学2年生の作品

高校受験組は試験日が迫ってきました。緊張感が伝わってきます

試験時間に合わせて、何枚も何枚も対策デッサンをしました


美術系高校受験組にとっては、年明けから怒濤の対策月間でしたね!
しっかりご飯を食べて、睡眠をとって、いつもの実力を発揮してきてください。
積み上げた経験は必ず力になってくれます!



2017年1月20日

二ヶ月連続課題「でっかい瓶の木炭デッサン」(2/2)




こんにちは!講師の依田です!
冬期講習会を経て、美術クラブも新鮮な気持ちで1月の課題をはじめています。
さて、昨年12月は、2ヶ月かけた大作である木炭デッサンの後半戦でした。


みなさん画面全体を意識して、メインモチーフの瓶のガラスの質感、表情などをよく触りながら完成させることができました◎


では1点1点、観ていきましょう。




中2生の作品です。
メインモチーフの瓶が大胆に入っているのと同時に、背景の棚や小物まで、積極的に描かれています。組まれている静物だけでは表現できないおもしろいリズムですね!奥行きを感じさせるのにも効果的です。良い挑戦だったと思います。





中1生の作品です。
細部と全体、非常にバランスの取れた作品になってます。後ろの壁に張ってあるドガのポスターまで丁寧に表現されています。
静物モチーフの中や、与えられた図版の中などに巨匠の作品が出てきたときは、積極的に取り入れることでその絵画の持つ美しい線、良いリズムなどを自分の作品に利用できます。
これは、成功している例だと思います。





中2生の作品です。
全体的にしっとりとした木炭の質感が魅力的な作品です。
木炭は1度つけるだけでは定着しません。何度もとったりつけたり、おさえたり…粘り強く作り込んでいくことが必要とされます。しかし手間がかかる分、ある時から描画材を超えた表情をみせてくれます。特にガラス瓶などは画像で伝わりきらない独特な質感を表現できてます。





中1生の作品です。
こちらは紙の白をうまく活かし、からっとして晴れやかな印象に仕上げられている作品です。じっくりと作り込んだ質感との対比が美しいですし、瓶の歪みの表現が魅力的ですね。良く観察して描けていると思います。
木炭は鉛筆と違い、細部の表現も非常に触覚的なのが面白いところですね。とても引き込まれます。





中2生の作品です。
こちらは木炭の勢いを感じる、力強い作品ですね。描写も粘り強く、非常に魅力的です。
それだけでなく、周囲に置かれている物とメインの瓶の絡みに気遣いが感じられます。描写してある部分に目が動くよう、うまく誘導の役割を果たしています。絵づくりできていますね!




紹介しきれなかった作品も、みんな力作ぞろいでした!
長い期間向き合う制作は大変だったと思いますが、よく頑張りましたね!
おつかれさまでした!!



2016年12月22日

二ヶ月連続課題「でっかい瓶の木炭デッサン」(1/2)




こんにちは!講師の吉川です。
早いものでもう年末ですね。
この時期になると「あれもこれも年内にやっておこう」と、なんともせわしない気持ちになりますが、
美術クラブは11月・12月のまるまる二ヶ月を使って、じっくりと木炭デッサンに取り組んでいます。


木炭デッサンで使う道具は、木炭と消し具の食パン。そして何より重要なのが「手」です。


木炭はとても柔らかい素材で、紙の上で滑らせると簡単に黒くのるのですが、それだけでは定着しておらず、すぐにはがれ落ちてしまいます。そのため、画面にのった木炭の粉を、指や手のひらでおさえて紙に定着させる必要があります。



まずはレクチャーで、木炭デッサンの準備について教わります。

木炭は中心に芯があるので、芯抜きをしてから使います。

木炭紙に木炭をのせたら、手でトントンとおさえます。

消しゴムの代わりに、食パンをちぎって消します。



この「おさえる」という描き方が、木炭デッサンの一番の特徴で、また、楽しいポイントです。
一言におさえるといっても、指先でトントンとおさえるのと、手のひらでグッと馴染ませるのとでは、質がまるっきり変わってきます。


手をうねうね動かして、色々試してみて下さいね。


大きな画面にガシガシ木炭をのせます。最初は体力勝負!

少しずつ要領を掴んできたようです。独特の質感がいいですね!



鉛筆デッサンでモチーフを描くとき、よく「触るように描く」と言います。「目で写すんじゃなくて、もっと画面の中のものに触ってみて」と言われたことがある生徒もいるのではないでしょうか?
木炭デッサンの「おさえる」は、この触れるという役割も担っています。実際に画面に触れて描くことで、「触るように描く」感覚をつかんでみましょう。



木炭初挑戦の人が多い中、画面とのやりとりを繰り返して、厚みのある絵肌を作ってくれています。
みんなが手を真っ黒にして挑んでいるのを見ると、楽しそうで羨ましくなります。笑
完成が楽しみです!



受験組もだんだんと手際が良くなってきましたよ!頑張れ〜!



美術系高校受験組の実技対策もスタートしました。
プレッシャーもあると思いますが、せっかく好きな分野で受験するのだから、楽しんでいきましょう〜!




2016年11月15日

自由なイメージでデッサンしよう!「衣・食・住」




こんにちは、美術クラブ講師の依田です。
最近すっかり寒くなってきましたね。何だかおなかが減りますね(笑)


さて、美術クラブ10月の課題は、言葉から自由にイメージして描く構成デッサン課題でした。課題文は、「『衣・食・住』からテーマをひとつ選び、自由に描きなさい」というものでした。


みなさんそれぞれのアプローチで、中学生とは思えない絵画的な視点で課題に答えてくれたのが印象的でした。




こちらは中学1年生の作品です。花がメインの作品ですが、その他のお皿やカトラリーに至るまで丁寧に描きこまれています。また、空間も緊張感をもって仕上げられているのがすばらしいですね。特に注目すべきは、花と花が重なり合うことで生まれる「隙間の空間」です。物(花)を描くことによって、何も無い空間(隙間)を表現することに成功しています。




中学3年生の作品です。はっきりとした強いイメージを持って描き切ってくれました。紅茶の入ったガラスカップの質感がとても魅力的です。空間を意識して配置された花びらなど、端々まで絵作りの神経を感じられる作品になりました。




中学1年生の作品です。「衣・食・住」というテーマに対する答え方としては、一番わかりやすい印象です。針の持つ緊張感や、布のたわみの空間、またモチーフの配置のし方に関しても、些細なことの中に非常に繊細な神経を使っていることが感じられます。このように丁寧に観察し描かれた画面は美しいですね。




中学2年生の作品です。鮭の切り身の表情に注目して、絵の中では切り身をやや平面的に扱っています。箸で皮の部分をほんの少し持ち上げている瞬間、というのが、良い場面選択だと思います。見せ場になる鱗(うろこ)や身の表情がもう一歩描きこめれば格好良かったですね。惜しいです!



イメージ課題になると、モチーフなしで描くこともあります。

詳しく描きたいときは、写真などの資料を用意して制作に臨みます。

現物を自宅から持ってきて、描く人もいます。

みんながそれぞれの狙いで、違った内容の絵を描いています。

高校受験組(中3生)のデッサン対策も頑張っています!

講評会では、当初の狙いが何だったかを確認しながらアドバイス。



その他にも魅力的な作品が沢山並び、楽しませてもらえました!

11月からは2ヶ月連続の木炭を使った課題になります。
初めての素材になりますし、画面も大きくなります。
思いっきりぶつかってみてください。