2017年4月17日

2016年度の最終課題「静物着彩」(2/2)




こんにちは!講師の吉川です。
早いもので、もう新年度がやってまいりました~~!

さて、昨年度の最終課題。
アクリル絵の具による「静物着彩」
二ヶ月たっぷりかけただけあって、力作ぞろいでした!!
何点か抜粋して、生徒の作品をご紹介いたします。





中学2年生の作品です。
毛糸がたくさん入ったアクリルボックスの、周りの風景が映りこんでいる面と、
中の毛糸の積み重なりの様子をしっかり描いた面の違いを上手く表現しています。
下地は乳白色の柔らかな印象のものでしたが、背景に思い切った暗さのグレーを置くことで、
下地をアクリルボックスの表情に生かしています。
台上の毛糸が、針金のように硬そうに見えてしまうのが惜しい!





こちらも同じく、中学2年生の作品です。
繊細な下地を大事にしながら描きあげました。毛糸の表情が魅力的です。
にごった色の上から鮮やかな色で一本一本を描写することで、より際立った存在感を演出しています。
対して、植木鉢の葉っぱは筆の勢いを残しており、対象によってアプローチが違うのも面白いです。
布やアクリルボックス自体の描写が簡単に見えてしまうのはもったいなく感じますが、
手前の一本の毛糸を丁寧に描いている点など、画面の随所に見所を用意しており、見ごたえを感じさせます。





中学1年生の作品です。
下地の色を描写でも積極的に使い、画面の全体感を大切にしています。
画面上で色を重ね、複雑さを出していくことができるアクリル絵の具の特性をうまく利用しています。
また、下地作りで偶然できた直線(絵の具が垂れた部分)が構図にしっかり参加していて、その点も上手い!
アクリルボックスの「透明な板がある」という抵抗感をもっと感じられるといいかと思いますが、
綺麗にまとめようとしすぎていない、色々な試行錯誤が面白い作品です。





思い切った構図に挑戦した、中学2年生の作品です。
大きく入れた布を、何層も絵の具を薄く重ねていくことで表現しており、たっぷりとした豊かな絵肌を作り出すことに成功しています。
その上をすっと横切る一本の毛糸が、大胆で大きな世界の中に繊細な空気を生み出しています。
絵は「対比」が非常に大事です。明るさを見せるためには暗さが、大きさを見せるためには小ささが必要です。
この絵はこの小さな毛糸の様子を見せるために、周りの大きな空間が存在していて
木炭紙大という、決して小さくないサイズをフルに生かすことに成功しています。





こちらも中学2年生の作品です。
ただ絵の具を乗せて描いていくだけでなく、 下地を物の中に意識的に残そうとしているのが分かります。
毛糸の持つ柔らかさを、束感を損なうことなく表現しているのが上手い!
手前の台の側面を感じづらくなっている点は惜しいですが、
ストライプの布が敷いてあることで水平への意識が高く保たれており、
台の上に置いてあるモチーフの「垂直の見え方」もスッキリしていて、全体が非常に見やすいものとなっています。








いかがだったでしょうか?
春は卒業や入学、進学が重なり、成長を実感する季節ですね。
美術クラブのみんなも、入学した時期は各々違いますが、1年の集大成の制作を経て
作品への意識が大人びたものになってきているのを感じます。


美術は一枚の作品の中で、挑戦と失敗を何度も経験することができます。
新学年、気持ちを新たに、また楽しく挑戦をしていきましょう!
今年度もどうぞよろしくお願いいたします!



2017年4月7日

2017年度高校入試の合格実績



こんにちは!講師の村です。
桜の季節となりましたね。私は、受験に関わるお仕事をさせてもらっているので、桜を見ると「一周巡って、またこの季節がやってきたな」としみじみとした気持ちになります。


昨年度、受験生だった中3生も進路が決まって新たなステージへと進みました。フレッシュな気持ちで高校生活を楽しんでほしいと思います。


時期は少し前になりますが、2月に2017年度の高校入試が終了しました。
今回は、2017年度入試の合格実績をお伝えしようと思います。



【2017年度 高校入試合格実績】

<私立高校の合格実績>
橘学苑高校    名合格 (全員合格)

<公立高校の合格実績>
上矢部高校    名合格
白山高校     名合格 (全員合格)
川崎総合科学高校 名合格 (全員合格)



同じ情報ですが、参考としてこちらのページもどうぞ御覧ください。
http://www.e-s-w.com/hamabi/about/result.html(横浜美術学院サイトの合格情報ページへ飛びます)


受験組の入試対策の様子

志望校が複数ある場合、各高校の対策をバランスよく行う

繰り返しモチーフを変えながら、短時間で描く練習をする

分かりやすさを意識して、相手に正しく伝わるように

シンプルなモチーフほど難しい。構図や色使いを工夫する

講師からの批評を理解し、次回に生かす




志望校に見事合格した皆さん、おめでとうございます!
美術クラブの講師たちも指導やサポートを念入りにしていましたが、やはり最後は個人の力だと思います。


入試というのは(いえ、入試に限らずあらゆることは)、最終的には自分一人で行うものです。一緒に仲良く対策していた仲間も、応援してくれた親御さんも、アドバイスをくれる先生もいなくなります。本番では、全部自分で決めて、自分でやるしかないのです。ですから、合格は本人が自覚を持ってやれたから得られたものだと思います。


一方で、残念ながら志望校に合格できなかった方もいます。
これは本当に悔しい。講師たちも自分のことのように悔しいものです。一生懸命頑張って描いてきた人ほど、その気持ちは大きいでしょう。


もし、すぐに気持ちを切り替えてケロッとしていられる人がいるとしたら、それはあまり本気ではなかったということかもしれません。だからまずは思いっきり悔しがること。そしてこの経験を生かすことです。


高校入試対策でやっていたことの中には、実は今後に生きる大切な練習がたくさんありました。


  • 短時間で絵を完成させるにはどうすればよいか【工夫すること】
  • 自分と同じ課題に、他のみんなはどのように取り組んでいるか【比較すること】
  • 一度した失敗を、二度としないようにするにはどうするか【失敗から学ぶこと】
  • 一度した成功を、他にも生かすことができないか【応用すること】
  • 講評時に、自分の絵がなぜ良い(悪い)と言われたかを考える【話を理解すること】


などなど、、、数え上げればきりがありません。


これらの練習を毎週やってきたのですから、絶対に鍛えられているし、決して無駄ではありませんよ。形を変えて今までの練習がどこかで生かされることを願っています!


受験生の皆さん、高校入試おつかれさまでした!!


2017年3月16日

2016年度の最終課題「静物着彩」(1/2)


2016年度の最終課題「静物着彩」(1/2)



こんにちは!講師の依田です。
あっという間に3月です。まだ寒い日が続きますが、少しずつ春の気配も感じられますね!


さて、美術クラブでは2月から3月にかけて、静物着彩の課題に入っています。


静物着彩といえば、白い紙に静物をデッサンし、そこに絵の具を乗せていくイメージが強いかと思いますが、今回はたっぷり時間をかけて下地作りをしてもらいました◎
どちらかというと、油彩のプロセスに近いものがあります。


画面も木炭紙大です。水張りも一苦労でしたね。



画用紙に刷毛で水を塗って、水張りをしていきます。

水張りが初めての人にはレクチャーを交えながら。

作品のイメージに合う色の絵の具を、下地としておく。

滲ませたり、色を重ねたり。この作業がとにかく楽しい。

友達の画面を見て刺激を受けながら、自由に作っていく。


絵の具の流動性や、それによってもたらされる偶然性は、なかなか意図して作れるものではありません。
その美しさを活かしたり、逆に潰して壊したり、
意識と無意識の狭間のようなこの作業に、皆さん没頭してくれました!


1日目終了時には、下地にしておくにはもったいない、美しい画面が並びました。
抽象絵画のようですね。
同じような作業の中にもそれぞれの個性が出ていて面白いです。


もったいない気もしますが、この上から静物を描いていきます。



下地が乾いたら、鉛筆で少しだけ形を当たっていく。


このような下地作りには、画面の統一感を出す効果があります。


白い画面にただ塗り絵のようにそれぞれのモチーフを塗り分けてしまうと、画面の中でバラバラに存在して、空間を出すのが難しかったり・・・


下地があるだけで、画面全体でのモチーフの位置関係や色の響き合いも意識するようになってきます。


有色紙のデッサンの時と考え方は似ていますね◎




下地の色をどう活かしていくか、考えながら描いていく。

モチーフをよく観察して、リアルに描写することも忘れずに。

薄く溶いた絵の具をちょっとずつ重ねて、下地を透けさせる。

面相筆という細い筆を使って、細部も描写していく。

講師によるデモンストレーション。絵の具の使い方などがとても参考になる。



私(依田)も作品制作でこのようなプロセスを踏みますが、下地づくりが一番楽しく、好きな段階です(笑)


プロの作家さんでもこのようなプロセスを踏んで作品を作っている方は多いですよ。
美術館などに足を運んだ際は、この絵の下にはどんな下地があったのだろう?どんなプロセスを踏んでるかな?と想像を巡らせてみるのも面白いかもしれません!





2017年2月13日

パステル・コンテで有色紙に描く「自画像デッサン」



こんにちは!講師の吉川です。
2月も半ばを過ぎると、そろそろ春が待ち遠しくなってきますね。


今回は1月の美術クラブ「有色紙デッサンの自画像」の様子をご紹介します!


自画像と言われて、シブい顔をした子もいましたが(笑)、
自分の顔はもっとも見慣れているものの一つです。
その分知っていることも多く、とっかかりを掴みやすいテーマではないかと思います。




しかし、人間というモチーフは、デフォルメ化されたもの(漫画やイラストなど)を目にする機会も多いことから、「目」「鼻」「口」「髪」など、記号として見てしまいがちです。


それらのパーツの裏には、骨があり、筋肉があり、脂肪があります。皮膚が覆い、やっとそれぞれのパーツが見えてきます。普段意識することのない構造を理解してすすめることは、より絵にリアリティを与えます。


肌は結構、複雑な形をしています。触りまくってみるのもいい勉強になりますよ!自分の顔は触り放題です。(笑)



自分の顔をよく観察しながら描いていきます

まだ描き始めだけど、自然な人物の印象をよく捉えていますね


そして今回は同時に、有色紙デッサンにも挑戦しました。
有色紙デッサンとは、その名のままですが、色のある紙にデッサンをすることです。


白い紙に描いていくデッサンと基本は変わりませんが、大きく異なる点は「明るさの作り方」です。


白い紙の場合は、紙の色を残しておいたり、一度のせた鉛筆や木炭をねりけしや消しゴムを使って「とる」ことで明るさを表現しますが、有色紙はベースが中間色なので、コンテやパステルの白を「のせる」ことで明るさを描いていきます。


前回の木炭に引き続き、新素材への挑戦でしたが、積極的に利用してくれていました。



新しい画材に挑戦してみましょう

パステルを使うと、鉛筆とは違う色や質感があって面白い

パステルやチョークなら練りゴムでも消せます

白いパステルを積極的に使って、明るい部分を描きます



3回の授業時間を使っての制作でしたが、今回もっとも印象的だったのは、
最終日、全員が絵の中の自分と同じ服を着てきていたことです。
絵のためのそのちょっとした行動が、実はものすごく大きな一歩です。



絵の中の自分と同じ服を忘れず着てきてくれました

土曜日クラスの作品講評会の様子

先生たちのコメントにも熱が入ります

中学1年生の作品

中学1年生の作品

中学2年生の作品

高校受験組は試験日が迫ってきました。緊張感が伝わってきます

試験時間に合わせて、何枚も何枚も対策デッサンをしました


美術系高校受験組にとっては、年明けから怒濤の対策月間でしたね!
しっかりご飯を食べて、睡眠をとって、いつもの実力を発揮してきてください。
積み上げた経験は必ず力になってくれます!



2017年1月20日

二ヶ月連続課題「でっかい瓶の木炭デッサン」(2/2)




こんにちは!講師の依田です!
冬期講習会を経て、美術クラブも新鮮な気持ちで1月の課題をはじめています。
さて、昨年12月は、2ヶ月かけた大作である木炭デッサンの後半戦でした。


みなさん画面全体を意識して、メインモチーフの瓶のガラスの質感、表情などをよく触りながら完成させることができました◎


では1点1点、観ていきましょう。




中2生の作品です。
メインモチーフの瓶が大胆に入っているのと同時に、背景の棚や小物まで、積極的に描かれています。組まれている静物だけでは表現できないおもしろいリズムですね!奥行きを感じさせるのにも効果的です。良い挑戦だったと思います。





中1生の作品です。
細部と全体、非常にバランスの取れた作品になってます。後ろの壁に張ってあるドガのポスターまで丁寧に表現されています。
静物モチーフの中や、与えられた図版の中などに巨匠の作品が出てきたときは、積極的に取り入れることでその絵画の持つ美しい線、良いリズムなどを自分の作品に利用できます。
これは、成功している例だと思います。





中2生の作品です。
全体的にしっとりとした木炭の質感が魅力的な作品です。
木炭は1度つけるだけでは定着しません。何度もとったりつけたり、おさえたり…粘り強く作り込んでいくことが必要とされます。しかし手間がかかる分、ある時から描画材を超えた表情をみせてくれます。特にガラス瓶などは画像で伝わりきらない独特な質感を表現できてます。





中1生の作品です。
こちらは紙の白をうまく活かし、からっとして晴れやかな印象に仕上げられている作品です。じっくりと作り込んだ質感との対比が美しいですし、瓶の歪みの表現が魅力的ですね。良く観察して描けていると思います。
木炭は鉛筆と違い、細部の表現も非常に触覚的なのが面白いところですね。とても引き込まれます。





中2生の作品です。
こちらは木炭の勢いを感じる、力強い作品ですね。描写も粘り強く、非常に魅力的です。
それだけでなく、周囲に置かれている物とメインの瓶の絡みに気遣いが感じられます。描写してある部分に目が動くよう、うまく誘導の役割を果たしています。絵づくりできていますね!




紹介しきれなかった作品も、みんな力作ぞろいでした!
長い期間向き合う制作は大変だったと思いますが、よく頑張りましたね!
おつかれさまでした!!



2016年12月22日

二ヶ月連続課題「でっかい瓶の木炭デッサン」(1/2)




こんにちは!講師の吉川です。
早いものでもう年末ですね。
この時期になると「あれもこれも年内にやっておこう」と、なんともせわしない気持ちになりますが、
美術クラブは11月・12月のまるまる二ヶ月を使って、じっくりと木炭デッサンに取り組んでいます。


木炭デッサンで使う道具は、木炭と消し具の食パン。そして何より重要なのが「手」です。


木炭はとても柔らかい素材で、紙の上で滑らせると簡単に黒くのるのですが、それだけでは定着しておらず、すぐにはがれ落ちてしまいます。そのため、画面にのった木炭の粉を、指や手のひらでおさえて紙に定着させる必要があります。



まずはレクチャーで、木炭デッサンの準備について教わります。

木炭は中心に芯があるので、芯抜きをしてから使います。

木炭紙に木炭をのせたら、手でトントンとおさえます。

消しゴムの代わりに、食パンをちぎって消します。



この「おさえる」という描き方が、木炭デッサンの一番の特徴で、また、楽しいポイントです。
一言におさえるといっても、指先でトントンとおさえるのと、手のひらでグッと馴染ませるのとでは、質がまるっきり変わってきます。


手をうねうね動かして、色々試してみて下さいね。


大きな画面にガシガシ木炭をのせます。最初は体力勝負!

少しずつ要領を掴んできたようです。独特の質感がいいですね!



鉛筆デッサンでモチーフを描くとき、よく「触るように描く」と言います。「目で写すんじゃなくて、もっと画面の中のものに触ってみて」と言われたことがある生徒もいるのではないでしょうか?
木炭デッサンの「おさえる」は、この触れるという役割も担っています。実際に画面に触れて描くことで、「触るように描く」感覚をつかんでみましょう。



木炭初挑戦の人が多い中、画面とのやりとりを繰り返して、厚みのある絵肌を作ってくれています。
みんなが手を真っ黒にして挑んでいるのを見ると、楽しそうで羨ましくなります。笑
完成が楽しみです!



受験組もだんだんと手際が良くなってきましたよ!頑張れ〜!



美術系高校受験組の実技対策もスタートしました。
プレッシャーもあると思いますが、せっかく好きな分野で受験するのだから、楽しんでいきましょう〜!