2018年2月8日

いざ受験へ!(2017冬期講習会のレポート)



こんにちは、美術クラブ講師の村です。


2月になりました。2月というと、生徒も先生たちも少し緊張する時期です。なぜかというと「受験」がいよいよ本番を迎えるからなんですね。美術系高校を志望する生徒さんたちは、これまでにたくさんのデッサンの練習を重ねてきました。その練習の成果を発揮する時期がやってくる、それが2月です。ぞぞぞ!


ということで、今回は、2017年の年末に行われた「冬期講習会」の受験対策の様子をレポートします。この先、美術系高校への受験をお考えの方がいたら、ぜひ参考にしてくださいね。また冬期講習会は、まだ受験生ではない中学生の方や、初心者の方もデッサンを体験できるイベントとなっています。これから始めたいという方もどうぞチェックしてください^o^


【関連記事】2017冬期講習会、ただいま参加募集中です!(2017/12/04)


では、まずはビギナークラスの授業の様子から見ていきましょう!ビギナークラスは全3日間の短い講座です。鉛筆デッサンのABCを教わります。中1生〜中3生まで、いろんな学年の方が参加してくれました。


冬期講習会はこんなアトリエで制作していました。
まずは制作手順や画材の準備など、初めての人に向けて説明をしました。
りんごなど、すごくシンプルなモチーフでデッサンの基本を確認します。
先生の加筆指導で描き方や直し方を見せてもらいます。
描くだけではなく、しっかりと自分の絵を見る。これが大事です。
制作終了後は、作品講評会。今回勉強したことをおさらいします。


そしてそして、高校受験対策クラスの授業の様子です。このクラスは計6日間の講座で、徹底的に志望校別対策を行います。弥栄高校・上矢部高校・白山高校・川崎総合科学高校・橘学苑高校など、それぞれ受けようとしている高校が違いますから、それに合わせて時間を計りながら短時間で描きます。試験時間が60分の高校もあれば、90分の高校もあります。どちらにしても、一つの作品を描ききるには短すぎるくらい短い時間です。この時間内でいかにベストなパフォーマンスを発揮できるか。繰り返し描いてみて時間感覚を身体に覚えこませます。


直方体・球体など、受験では基本的な形態を描く力を問う出題が多いです。

このように、みんなで同じモチーフを囲んで描く場合もありますし、

このように個別にモチーフが手渡される場合もあります。

形の正確さ・明暗の理解・質感の表現など、各志望校ごとに評価の観点があります。

客観的に自分の絵を把握するために、こうして並べて他の参加者と比較します。

おかげさまでアトリエにはたくさんの参加者が集まってくれました。みなさん集中度が高く、制作に没頭していて、鉛筆のカリカリという音が響き渡っていました。あらためて、中学生のみなさんの一生懸命な姿に感心してしまいました。


いよいよ2月14日〜16日は公立高校の入試です。練習していた場所とは違う環境での試験となりますが、アウェイな場所でもいつもの力がしっかりと出せるよう、みんなの健闘をお祈りしています。「頑張れ!」と言いたいところですが、せっかく大好きな美術ですから「楽しんで!」と送り出そうと思います。


それではみなさん、「楽しんで描いてきてくださ〜い!^o^」



2018年1月11日

美術の巨匠たちから学ぶ「古典技法」




明けましておめでとうございます!講師の吉川です!


今年も美術クラブをよろしくお願いいたします。


寒さも本格的になってきましたね。ついこの間、新年度!というブログを書いたと思ったのですが、気がついたらもう2学期が終わってしまいました。生徒たちの背が伸びるわけですね。


さて、人数も増え、賑わいをみせる美術クラブですが、11〜12月は古典技法をつかった絵画作品の模写に挑戦しました。用意した図版はこちらです。

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ作の『白貂を抱く貴婦人』
  • カラヴァッジォ作の『果物籠』
  • 磯江毅 作の『静物(盆の上の葡萄とパン)』



この中から好きな作品を選んでもらいました。どれもかっこいいので悩みますね。(と思っていたのですが、みんな即決でした。)


模写のお手本をそれぞれ選び、模写の制作工程をみんなで確認していきます。

初めての人も多いので、先生がデモンストレーションをしてくれました。



古典技法といわれるとなんだかお堅い気がしますが、絵のつくりは意外と単純です。


ざっくりと言いますと、「フルカラーで最初から描くのではなく、まず単色でリアルに描いてから最後に色を入れてフルカラーにする」という絵のつくりをしています。ちょっと回りくどい描き方ではあります。でも、塗り絵のようにそっくりな色を塗るだけでは、デッサンがおろそかになってしまいますから、ここでは「形を描くこと」と「色を塗ること」を分けて考えているわけです。


描き進めるうえで必要な技法は2つ。「グレーズ」と「ハッチング」です。


薄く溶いた絵具を塗り重ねていく「グレーズ」は、絵に深みや奥行きを作り出します。


【グレーズ】水を多めに加えて溶いた絵具を、薄塗りしていきます。



一方、「ハッチング」は、面相筆による白く細い線の重なりのことで、微妙なトーンのコントロールができます。難しいと眉をしかめる生徒もいましたが、始めると止まらなくなる、狂おしい技法です。笑


【ハッチング】面相筆という細い筆を使い、明るい部分を細い線で描写していきます。

光がどこから差してきているのか、絵の中の明暗の設定をよく見て描きます。

この作品の場合、果物カゴよりも背景の方が明るいので、白色で描いています。



今回はまず、草色(テールベルト風)赤みがかった土色(バーントシェンナ )をグレーズで繰り返し重ねることで中間色を作りました。いわゆる「下地」というやつです。そして、いよいよその上から白い絵具でハッチング。ほとんど固有色のない状態ですが、明暗を利用しながらまず形を描き起こしていきます。こうすることで、赤いとか青いとかいう固有色に惑わされることなく、平らな絵の中に奥行きや空間を作り出すことができます。


ハッチングをしていると、1つ1つのものの中で明暗が作られているわけではなく、周辺のものとの関係が同時に表現されていることに気づいたのではないでしょうか。


このように、ただ写すだけでなく、一枚の絵が出来るまでの過程を追体験することで、様々な仕掛けを発見し、作者の狙いを実感することができます。


最後は固有色をグレーズし、形に色を与えていきます。


物の立体感が描けたら、りんごの色・レモンの色・ぶどうの色を
それぞれグレーズしていきます。

固有色をグレーズする工程では、お手本の色味をよく観察する必要があります。



この時、納得いかないという顔で何度も色を重ねている生徒の一人に、どうしたのかと尋ねると「図版の絵はもっと暖かい感じなのに、自分の絵は寒そう」と言っていて、感心しました。選んだ図版に感じた魅力を、最後まで持ち続けることが出来ているということですね。静物デッサンでも、初見のときに抱いた感覚は実はとても大切です。そのもののシンプルな印象が本質そのものであったりしますから。


和やかな雰囲気の講評となりました。みんな達成感があったみたいです。良かった^^

仕事の丁寧さや、お手本の絵をどれだけ観察しているかが、
それぞれの完成作品から伺えました。



講評会で並んだ作品はどれも完成度が高く、魅力的でした!ぜひ巨匠たちの技を自分の作品にも生かしてみてくださいね。


受験対策チームも、バリバリと集中して課題をこなしています。


丸いモチーフや四角いモチーフなど、シンプルな形体を描く練習はとても大切です。

なんとなく感覚で描いていくのではなく、
モチーフの構造を理解して補助線を引きながら描きます。

硬さや柔らかさなど、そのモチーフの特徴を掴むことも大事にしたいですね。

受験対策チームの講評コメントはとにかく具体的。
それを糧にして、次の作品はもっと良くしようと工夫します。

あいまいな表現では相手に良さが伝わりません。
だから、ときには率直で辛口なコメントもあります。



受験までの限られた時間の中で、一枚一枚を大切にしていきましょう!




2017年12月4日

2017冬期講習会、ただいま参加募集中です!


[2017年12月19日]2017冬期講習会は、全ての講座が満席となったため、募集終了とさせていただきました。たくさんお問い合わせいただき、ありがとうございました。




こんにちは!
美術クラブ、講師の村です。

今回は、冬休み期間に行う「2017冬期講習会」のお知らせです。

冬期講習会は、鉛筆デッサンのトレーニングができるイベントです。短期集中で学べる講座が2種類あり、ビギナー向けの短い講座は3日間、美術系高校の入試対策をしたい人向けの講座は計6日間となっています。




ビギナークラス(中1〜3対象)



ビギナークラスは、今までまったくデッサンを描いたことがないという方にぴったりの講座です。

また例年ですと、過去に無料体験を受けたことがあるという方もこの講座を受講しています。デッサンのさらなるレベルアップを目指し、初級〜中級レベルの課題に取り組んでいただきます。

デッサンの内容はいたってシンプルです。1個〜3個ほどの静物モチーフ(果物や野菜、日用品など)をテーブルの上に置き、それを観察しながら絵を描きます。ところどころポイント解説が入るので、とても分かりやすい授業です。





高校受験対策クラス(中3対象)



高校受験対策クラスは、美術系高校受験をする中3生対象の講座です。特色検査(実技試験)のための対策を行います。

入試本番まであと70日。残された時間でできる限りの対策をしたいと考えている中3生に向けて、過去問をベースにした練習問題や予想問題をご用意しています。

この連日の取り組みで、安定したレベルのデッサンが描けるようにトレーニングしてほしいと思います。自宅や学校などの通い慣れた場所で描くのは大丈夫でも、見ず知らずの人たちに囲まれながらアウェイな場所で描くのは案外難しいものです。試験当日に一人でしっかり実力が発揮できるよう、場数を踏むことが大事です。ぜひこの機会を活用してください。




2017冬期講習会に関する詳細情報はこちらから、また、お申し込みやご質問、資料請求についてはこちらのフォームからお願いします。電話(045-316-0677)やメールでの申し込みもお受けしております。


たくさんのご参加をお待ちしております^^


[2017年12月19日]2017冬期講習会は、全ての講座が満席となったため、募集終了とさせていただきました。たくさんお問い合わせいただき、ありがとうございました。



2017年11月13日

言葉からイメージするデッサン『家』2017



こんにちは、美術クラブ講師の依田です。
10月の美術クラブは、与えられた言葉から発想する「想定デッサン」を行いました。


静物デッサンとの違いは、モチーフの選び方から構成まで全て自分で設定するということです。そのため、認識が曖昧な部分があるとなかなか手が進みません。各自資料を集めるなど、フットワークの軽さが求められました。それだけ本人の持っているイメージが直接現れてくる課題ということですね。


今回のテーマは「家」
どんな作品ができたでしょうか、何点か紹介していきたいと思います!



中学2年生の作品です。
家の中のありふれた場面を大胆に切り取って作品にしています。ありふれているもの、取り立てて美しくないものの中にも面白さ、美しさを見出すという姿勢はクリエイターには必要な能力です。良い着眼点ではないでしょうか。L字の空間設定(壁と床)、無機質な質感の中に流動的に配置されているコードのリズムの良さなど、絵画的な面白さが満載です。



中学3年生の作品です。
こちらも非常に高い完成度の作品です。メインは壁のらくがき(わざと利き手ではない左手で描いています!)ですが、その稚拙さを強調するための周囲のソファやカレンダーなど、細部まで神経を使って描き込まれています。その「対比」がこの作品の肝です。それが最後までブレずに表せた良い例だと思います。また、家という説明に終わらず、そこで育まれている空間まで想像させてくれる、味わい深い作品だと思います。



中学2年生の作品です。
クマのぬいぐるみですね(^ ^) 少し寂しげな、なんとも言えない表情をしています!ただ、この作品はその可愛さに引っ張られない、確かな描写力が魅力です。ぬいぐるみの持つ構造体としての物質感や、クールに設定された周辺の寝具の表情。それらの支えがあるからこそ、絵画としての空間の面白さが先に見えてきます。それがなければ、いくらクマさんが可愛く描けても良い作品とは言えないでしょう。リアルな説得力を感じさせてくれる一枚です。



中学3年生の作品です。
何やら心象風景のようなイメージですが…実際に自宅で紙を吊るして展示しているそうです(^^) 一般的な家のイメージからは少し外れるかもしれませんが、非常に丁寧に手数を重ね、魅力的な空間を表現している作品です。吊るされている紙のリズム感、奥行きを感じさせる背景、そこに見え隠れする人物の描きこみなど、たくさんの見所があります。少し不思議な設定でも言い切る描写力は強いですね!



中学2年生の作品です。
ダイニングキッチンの一場面。丁寧に一つひとつ描かれた小物に注目です!少し乱雑な様子が感じられます。決してモデルルームのように整然としていないところがこの絵の魅力です。家と言われて、ただ家を描いても何も面白いことはありません。そこに立ち上る生活感や歴史など、鑑賞者の想像力や記憶を喚起できるか?はポイントだと思います。この作品は、直接的でなくても、そこで暮らす人のことを感じさせる工夫が凝らされています。



テーマを受けてイメージを膨らませる。この時間が大事。

どんな絵にするかを先生と相談しながら進めていく。

テーマ『家』にちなんだモチーフを探し出して描いています。

普段から良く知っていたり興味のあるモチーフを選ぶと、描くのが楽しくなる。

自分が思い描いている世界観を絵にしてみる。

何に興味を持って描いていたか、それに対してどういう演出すると良いかをアドバイスしていきます。


その他紹介しきれませんが、ミニチュアハウスや水槽(家は人間の家だけじゃないですよね!)などおもしろい答え方の作品がたくさんありました!


また、受験対策チームの方もかなりの完成度で静物デッサンを終えることができています。良い滑り出しですね。11月から卓上デッサンを集中的に対策していきます。頑張りましょう!


受験対策チームのデッサン練習。制作前半の様子です。良く画面全体が見渡せています。

制作終盤の様子。難しいサッカーボールですが、細かいディテールまで誤魔化さずに丁寧に描いています。



11月の美術クラブは巨匠の作品の模写で、古典技法に挑戦です!
現代でも得るものはたくさんあると思います。
楽しみですね〜◎



2017年10月16日

紙粘土でつくる「ロールパンの模刻」



こんにちは!美術クラブ講師の吉川です。

毎年恒例の粘土模刻を終えましたので
生徒たちの作品を紹介します◎


今年はロールパンの模刻です!
講評会でズラリと並ぶようすはパン屋のようで、
目に美味しい講評会になりました。


講評会に並んだみんなの作品。一番手前が本物のロールパンです。

先生たちはいろんな角度から作品を見ていきます。

みんなのこだわりが、形や色にあらわれていました。



それでは、作品紹介です。じっくりとご覧下さい!



[K.E.さん] 焼き色のグラデーションを、パンの形に合わせて作ることに成功しています!

[M.M.さん] ふくらんだ部分とへこんだ部分のぶつかりにシワが生まれているのが分かります。形には理由や根拠が必ずあり、そこにリアリティが生まれます。

[T.M.さん] コピーするだけでなく、「どうしたらパンらしくなるか」という試行錯誤がうかがえます。

[Y.A.さん] 絵の具の染みが美しいです。反射光を入れるなど、作品として演出がされています。

[K.M.さん] ロールパン独特の生地が巻かれた形を、じっくり作り込んでいます。

[S.A.さん] とても慎重に、丁寧に観察しています。

[Y.S.さん] こちらもパンのふくらみを魅力的に表現しています。

[S.Y.さん] ロールパンらしさが大胆に表現されているわけではありませんが、本物より「らしい」質感を感じます。

[H.Y.さん] 底面も作り込むなど、全体の見え方を大事にしています。塗りはもう少し多角的に見たかったですね、惜しい!

[O.C.さん] 透明色をうまく使っています。色が少し変わるだけで味が違って見えるのが面白いですね。

[S.Y.さん] 本物そっくり!!色を的確に重ねて、中間色がとても綺麗です。

[H.M.さん] 底面への回り込みの形にこだわりを感じます。その形に色が関わってくるとなお良かった!


いかがでしたか?
いつもより多めに作品紹介をしてみました。

粘土模刻が久しぶりの人も初めての人も
いろんな方向から見てみたり、触りまくっていましたね。
立体でも平面でも、対象を知るという大切さを改めて感じてくれたんじゃないかと思います。


制作前のレクチャーの様子

パンらしい形とはどういうものか、よく観察しながらヘラで作っていきます。

ロールパン独特のふくらみや凹みを、いろんな角度からチェック。

焼き色を塗る前に、ベースの色をおきます。

だんだんと焼き色がついてきました。グラデーションには特に神経を使って。

最後の仕上げ。パンの表面のツヤ感まで表現します。


来月からは想定デッサンです。
今回と打って変わって、目の前にモチーフが用意されません。
資料を用意するなど、自分でフットワークよく動くことが要求されますよ〜!
受験組はついに対策スタートです。
じっくり積み重ねていきましょう!!